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人生よ ありがとう/ビオレッタ・パラ

c0062603_8434869.jpg約20年前、私は何かに憑かれたように次から次へと本を購入していた。
当然、己の読書量を遥かに超える購入数で、当時に購入した本は、ページを捲られないままにそのまま本棚に納まっていたものの方が多かった。
昨年、帰国したときにそれらの本をすべてダンボールに詰めて船便でミシシッピへと送り出していた。
そんな20年前の本たちがやっと、本来の目的である「読書」の対象になったのである。
20年前、どういう読書傾向にあったのか、どういうことに興味を持っていたのか、自分のことでありながら第三者的に見ることができて、なかなか面白い。
この本もそういう中の1冊。
きっと書評誌か新聞か何かで目にして、購入したのだと思う。
ラテンアメリカの歴史と文化をテーマにした「インディアス群書」の中の一冊で、チリの民族歌(民謡)をギター片手に歌い続けたビオレッタ・パラの十行詩(デシマ)による自伝という特異な形態のもの。
このデシマというのは、構成上の細かい規則の上に成り立ち、プエタと呼ばれる民衆詩人がギタロンの伴奏で歌ったり語ったりする詩の形式をいうそうだ。
原文はスペイン語で、それが詩人の水野るり子の手によって翻訳されると、情景の伴った日本語の詩になる。
これがどんなメロディーに乗せられているのか、ぜひとも音源を探し出して聞いてみたい。
アメリカという国で暮らし始めるまで、ほとんど興味の対象にはなかったラテンアメリカ。
ところが今、チャンスがあればこの南アメリカを旅してみたいと思い始めている。
遠い祖先は日本人と繋がっているのではないかと思わせるインディアンの人たちを見かけるたびにそう思う。
ちなみにこのインディアス群書は1984年に刊行されたが、その刊行のことばから…

『1492年…薄命の彼方の大陸に、ヨーロッパが荒々しく踏み込むことによって幕開かれた「大航海時代」。ただちにうち樹てられてゆく「白い平和」と、その下でインディアスの大地に塗りこめられていく「敗者たち」の声。そこを端緒とするヨーロッパと非ヨーロッパの対決・相克・葛藤は、コロンブス個人の思惑をおそらくは超えて、その後の人類の歴史を世界的規模で方向づけるものとなった。
(中略)
インディアスを舞台に、ヨーロッパと非ヨーロッパの双方から発せられてきた声は、ある時は「征服」以前のマヤやインカのめくるめく世界へ、またある時はカリブ海やアンデスで激しく胎動する現代ラテンアメリカの豊饒な世界へと、私たちをいざなう。』


人生よ ありがとう/ビオレッタ・パラ(現代企画室)
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Commented by susie at 2007-08-27 10:11 x
私も滞米中にぜひ中南米へ行きたいと思っていました(かないませんでしたが)。オハイオで中南米音楽のバンドに出会いましたが、エクアドル出身で故国とアメリカを行ったり来たりしていると言っていました。祖先が近いかもしれないことも含めて、ほんとうに身近に感じました。
Commented by judy_orange at 2007-08-27 14:50
音は、人のこころを揺さぶるし、結びもするし、感動、癒し・・・全てをつかさどってると
思います。
好きな音楽を聴くとき、気持ちはその音楽が生まれた国に飛び、
ルーツを知りたくなります。

Commented by lanova at 2007-08-29 08:46
★susieさん_いつも読んでくださって、コメントをいただき嬉しく思っています。ありがとうございます。中南米に限らず、ネイティブアメリカンの人に出会うと、遠い遠い昔に繋がっていたことを思い出させられます。数万年前にアジアからロシアを回りアメリカ大陸にやって来た人たちと、私たちの祖先がどこかで繋がっているのかもしれないと思うと、たとえ言葉は通じなくても、通い合うものがあるように思えてきますね。
Commented by lanova at 2007-08-29 08:47
★judyさん_このビオレット・パラの音楽は聴いたことがないんですが、ちょっとネット検索をしてみたら、レコードも手に入りそうなので、チャンスがあればぜひ聴いてみたいなって思っています。ここ南部はやはりブルーズ、R&Bのルーツともいえる場所で、あちこちでブルーズ・フェスティバルなどが開かれています。まだそちらに出かける余裕がないのですが、ぜひ体感してきたいなって思ってます。
by lanova | 2007-08-25 09:02 | Book | Trackback | Comments(4)