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Casa de NOVA in Minnesota

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Road trip day 7- part 2/North Dakota

7月16日(日)午前7時40分に我が家をスタートしたこのロードトリップ、最終日の訪問地、Fargo(ファーゴ)から我が家まで253マイル(約405㎞)になった。
Fargoは休憩のついでにちょっと停まるにはもったいな場所で、ここだけでも2~3日は過ごせそうだ。
翌日の予定があるわけではなく、何度となく夫にこの街での追加宿泊を提案するも、簡単にいなされてしまった。
このトリップの間、ずっと運転手に徹していた夫は、おそらく一刻も早く自宅に戻って、夫にとっての長旅の疲れを癒したかったのだろう。
Fargoで訪れたHistorical and Cultural Society of Clay County、この時の展示はアメリカンキルト。
この国に移住し、何か、この国にしかないものを身に付けたいと思った。
それがアメリカンキルトだった。
習いに行くわけでもなく、雑誌や書籍を頼りに始めたアメリカンキルトは、予想通り面白くて、仕事の合間に小物をちまちまと作っていた。
いつかはベッドカバーのような大物に挑戦しようと思ってはいた。
でも、結局は膝の上で作れるようなものしかできなかった。
そんなアメリカンキルトの展示。
食い入るように一つ一つの作品を見て歩く。
中に第二次世界大戦時の日系人収容所の日系人たちをモチーフにしたキルトがあった。
ロサンゼルスに住んでいたころ、マンザナー日系収容所の記念館へ行き、寒風吹きすさぶマンザナーに立ち、涙が込み上げてきたことを思い出す。
今、また、アメリカという国は同じ過ちを犯そうとしているのではないかと…
あの時の日系人はその境遇と対峙して乗り越えてきた。
私はといえば…その強さを持ち合わせていない。
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アメリカンキルトの他にも古き良き時代のアメリカの様子を示す展示物も並ぶ。
ヨーロッパから東部に移住してきた人たちは、より国を広げようと西へ西へと開拓していく。
フロンティア精神が旺盛だったころのアメリカだ。
Wild Wild Westなどと言われた。
それは開拓だったのか征服だったのか…
歴史はいつしか「作られる」ということをこの国に暮らして知った。
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このFargoがあるノースダコタやミネソタはカナダとの国境に位置し、その緯度は北海道の稚内よりも高い。
したがってヨーロッパから移住してきた人たちもスカンジナビアからが最も多かったという。
スウェーデン、フィンランド、ノルウェーなどの国から船に乗ってこの地にやってきた。
彼らのことをバイキングという。
そのバイキングの子孫がこのFargoから、当時のバイキングと同じ船を建造し、ノルウェーまで行こうという大冒険を試みる。
私財を投じて再建したのがこの船。
そしてこの船でスペリオル湖を横断し、ハドソン川を下り、大西洋に出て、ノルウェーまで本当に行ってしまったのである。
その計画を練るところからノルウェーに行くまでが撮影され、ここではそれを上映している。
まさかこんな大冒険の様子を再現フィルムではなく、当時の状況のまま残されたフィルムを見ることができるとは思わなかった。
金持ちの道楽という見方もあるだろうけど、純粋に心に響いた。
人はだれしも「帰る」ところを持つのだろう。
「帰る」ところがあるから、人は「行く」のだろう。
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7月16日から始まった6泊7日のロードトリップ。
私にとってはアメリカでの最初で最後のロードトリップとなった。
帰路に入って、何度となく家とは反対の方向に向かいたくなった。
それは「帰る」のでもなく、「行く」でもなく、「ここではないどこか」だったのかもしれない。
今回の旅でずっとリフレインしていたのは「自然は裏切らない」。
それがこの旅のテーマだったのだろうと、この夏を振り返って、そう思う。

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by lanova | 2017-12-29 20:26 | Trip