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毎日のようにプールに通い、父や近所の友人と毎日数キロを歩き、元気にあちこちへと出かけていた母が体調を崩し始めたのは2011年の秋ごろのことだった。
それから目に見えて母の調子は悪くなり、手足が思うように動かせなくなっていった。
それでも父と二人三脚で何とか日常生活は送っていたようで、「帰ろうか?」と言っても「大丈夫、大丈夫!」と気丈な母は言っていた。

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そんな母から「やっぱり帰ってほしい」とすがりつくような電話がかかってきたのは、2012年9月のことだった。
しばらくは母の介護をしながら過ごそうと帰国したものの、母の弱り方は想像以上だった。
それでも動かないのは体だけで、母娘の軽口は以前と変わらないままだった。
そんな母の口数が少なくなり、些細なことでも癇癪を起こし始めたのは、帰国して3カ月になろうとする頃だった。
要介護度も上がり、家庭での介護が難しくなった母は病院、施設、そしてまた病院と居住の場を移さなければならなくなった。
老いた父による老々介護には限界がある。
そのときの私にはアメリカを長期に離れて、母の傍で介護をするという覚悟も思い切りもできないでいた。
だからこそ、24時間、看護の目や手がある病院はある意味でも安心できる場だった。
だけど、それは決して母の望む場所ではなかったのだろう。
いつもいつも母は「家に帰りたい」と言っていた。

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「家に帰りたい、帰りたい」と言いながら、母は呼吸不全を起こし、4月24日、息を引き取った。
最後まで母の願いを聞き遂げられなかった親不幸な娘は、明日、57歳の誕生日を迎える。
「誕生日だね、おめでとう」毎年、受話器の向こうから聞こえた母の言葉が、今年はない。
来年も、また、その次の年も…

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by lanova | 2013-09-06 16:00 | Logbook