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電池が切れるまで

電池が切れるまで_c0062603_15444035.jpg財前直美主演のテレビドラマが数ヶ月遅れでLAでも放映され、毎週涙ぐみながら見ていた。
どうしてもこのドラマのベースになった本を読みたくて、美和子さんにお願いして送ってもらった。
これは全国的に大きく取り上げられ、多くの人が感銘を受けたという。
中でも小学4年生の女の子が書いた「命」という詩は、胸を打たれる。
子どもの詩や絵でまとめられた一冊だが、あるお母さんの詩が記されていた。


「親の思い」

五体満足で育っている子どもをもつと
子どものいない人をうらやむことがある

切って縫って体にきずをもつ子どもをもつと
元気で普通の子どもをうらやましく思う

一生ハンディの残る子どもをもつと
一時の治療ですむ子どもをうらやましく思う

余命宣告されたり子どもの死んでしまった親は
ハンディが残ってでも生きている子どもをもつ親をうらやましく思う

子どもができない親は
産める親をうらやましく思う

腹のそこから大笑いしているそんな時もよいけれど
私は いつも微笑んでいられる一日一日、瞬間瞬間を大切にしたい


長野県立こども病院の石井栄三郎医師はこう語っている。

「医療は人の苦しみを和らげてあげるのが本来の姿だと思う。それがいつしか、医師は人の命を左右できる存在と勘違いするようになった。傲慢な考え方だ。命にとって大切なことは長さではなく、質である。命の質を決めるのは、温かな家族とのふれあいだということをS君は教えてくれた。」

電池が切れるまで(子ども病院からのメッセージ)/すずらんの会編(角川書店)
by lanova | 2005-05-18 23:46 | Book