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Casa de NOVA in Minnesota

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September in Japan

8月の終わり、松江の実家に帰らなければならない出来事があり、急遽、3週間ほど日本に帰国した。
ミネアポリスではそろそろ秋風が吹く頃だったが、日本はまだまだ真夏。
9月になってもエアコンなしでは寝られない日が続いた。
そんな蒸し暑ささえ、懐かしさの中に包まれてしまう。
「暑い、暑い!」と言いながらも、ふるさとの夏は優しい。

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帰国中は忙しさに取り紛れて、懐かしさの感傷に浸っている時間はなかったけれど、ある日、2階の窓から外を見たら、燃えるような夕陽が目に飛び込んできた。
40年近く前に通った高校の体育館に夕陽が反射している。
高校生だった頃にはなかった体育館。
新しくなったのはいつごろのことだろうか。
大きなガラス窓がはめ込まれた体育館は、ちょうど宍道湖に沈む夕陽を正面から受け止める。
周りが黄昏に沈み始める頃、そこだけが消えることのない情熱の炎のように燃えている。
そう…もう40年も前なのに…
どんなに時間が経っても消えない思いがあるのだと知った日…

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満月の夜。
父と一緒に写真を撮る。
二人ともナイスショットとはいかない。
偶然にも、昨年の9月も松江で過ごした。
そのときは夫も一緒だったが、今回は私一人。
かつてこの家で、両親、祖母、弟と5人で暮らした。
その後、私が進学で家を出、弟も離れ、両親と祖母の3人暮らしになった。
しかし、祖母も亡くなり、両親二人暮しになったのに、私と二人の息子たちが一緒に住むようになり、再びにぎやかな暮らしになった。
けれども両親にしてみれば、やっと夫婦二人で静かにのんびり暮らせるとはずだったのに、とんでもない邪魔が入ったと思ったことだろう。
仕事に明け暮れる私に代わって、両親は息子たちの親代わりになって育ててくれた。
そしてやがて私たち親子も家を離れた。
今、両親は静かに二人で暮らしている。
でも、いつ帰っても、この家に本当の「居場所」を感じる。
再び、ミネアポリスへ帰るための荷造りをしているとき、「ここにいれば?」という声が家のあちこちから聞こえてきた。

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ミネアポリスに戻る1日前に上京し、孫に会う。
3歳を迎える前の彼は悪戯盛りだけど、真っ直ぐな目をしていた。
この子の父親である息子も真っ直ぐな目をしていたことを思い出す。
お土産の飛行機に夢中になり、「ボク、飛行機を写す!」とカメラを取る。
彼の目線の飛行機は、おもちゃにも関らず、なかなか飛行機らしく撮影されていた。

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今度は「ボク、ばあばを写す!」
よしっ!思いっきり美人に撮ってくれ!
彼のファインダーで捉えたばあばはこれだ。
そっか、彼の目に映るばあばはこれなんだ…
わずか2時間足らずの再会。
後ろ髪を引かれる思いで、バイバイと手を振った。

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by lanova | 2011-12-04 18:25 | Trip