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Starting a family

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雨でも降っていない限りは、必ず園庭で遊びながら私の迎えを待っていた。
時には仕事で迎えが遅くなることもあった。
ひどいときには迎えに行くことすら忘れて、
保育所からの電話で慌てて行ったこともある。
迎えに行くと、「おかあしゃ~ん!」と駆けてきて腕の中に飛び込む彼からは
いつだってお日様の匂いがした。
いつまでもいつまでもそのお日様の匂いを嗅いでいたいと思った。
毎朝、起きなければいけない時間のちょっと前に、必ず私のベッドにもぐり込んできた。
1分でも1秒でも温もりの中に長くいたいと思う寒い冬の日、
小さな身体はまるでアンカのようだった。
それは私にとって、最も至福の時間だったのかもしれない。
そんな遠い日のことを思い出していた。

6年半前に15歳で私と一緒に渡米した次男は22歳になった。
夫と私がミシシッピに移住するときも、彼はロサンゼルスに残る選択をした。
そのときが、親離れであり子離れのときであったとは思う。
それでも同じ国内にいることはある種の安心感をもたらしてくれた。
日本との時差を気にするようなこともなく、電話で話すこともできたし、共通の話題も多かった。
でも、彼はもうお日様の匂いのする幼児でもなく、腕の中でぬくもりを感じるほど小さくもない。
彼は彼の人生を歩き始めていた。

人生を支え合うパートナーを見つけた彼は、彼女と歩き始めた。
以前、友人が話してくれたことがある。
「子どもというのは神様からの預かりもの。
人生の伴侶を見つけるまで、大事に大事に育てなさいと預けられたんだから、
パートナーに引き渡すまでが親の仕事」と。
私は、彼をちゃんとパートナーに引き渡せるところまでの仕事ができただろうかと
いささか不安ではある。
そのためにはもう少し時間を、一緒にいる時間がほしいなどと口実までつくってみたくなる。
まだ22歳なんて子どもじゃないかなどと思ったりもする。
でも、彼は歩き始めているし、
もしかしたら私などの歩幅よりももっと大きく、もっと早いピッチなのかもしれない。
そしてそんな彼の歩調にピッタリ寄り添っているのが彼女なのだ。

彼らは今年6月に入籍した。
そして新しい生活を日本でスタートさせる。
一足先に日本に帰った彼女の元へと、息子は今日ロサンゼルスを発った。
たくさん、たくさん、幸せを見つけてほしい。
私が彼からたくさんの幸せをもらったように…

来月、彼は父親になる。

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by lanova | 2008-09-26 22:10 | Logbook