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Shikata Ga Nai...Manzanar War Relocation Center 3

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マンザナーを訪れたときは、カリフォルニアに大寒波が訪れる前だったが、背後にシエラネバダ山脈を擁するこの地は、まさに冷たい空気が当たり一面を覆っていた。
しかし澄んだ空気と雪を戴くシエラネバダ山脈の景色は美しい。
スキーを積んだ多くの車が、標高4,418mのアメリカ合衆国本土で最も高いホイットニー山を目指し走り去っていく。
冬はこの地は凍えるほど気温が下がり、寒風が吹きすさんだといい、夏は砂嵐が起こるほどの熱風が巻き起こっていたという。
展示館で展示品や当時のフィルムを用いたドキュメンタリーを見た後、ゆっくりとキャンプ地跡を車で回った。
この地ではよく見かけるBlue bird(青い鳥)をいたるところで見かけた。
幸せの青い鳥…当時ここで暮らしていた私たち日本人の祖先は、どんな思いでこの鳥の飛ぶ姿を見つめていたのだろう。


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1988年、レーガン大統領は、「1988年市民の自由法(通称、日系アメリカ人補償法)」に署名し、この日本人、日系アメリカ人に対する強制収容は大きな誤りだったと、アメリカ政府は初めて公式に謝罪し、一人当たり$20,000の賠償金を生存している82,000人に支払っている。
同時に、二度と同じ過ちを繰り返さないよう、日系アメリカ人の強制収容所体験を全米の学校で教えるため、12億5,000万ドルの教育基金が設立された。


c0062603_15243594.jpgc0062603_15251173.jpg現在、勤務する高校図書館にも教育用のビデオ等が配布されている。
実際にこのマンザナーで暮らした人の生活を元に製作されたテレビ映画Farewell to Manzanarやその原作本である。
とてもよくできた映画で、この元になった書籍は子どもの年齢に応じて絵本にも作成されている。
この教材はセプテンバー・イレブンの翌年、2002年8月に全米の学校に配布されたものである。
教材とともに配布されたリーフレットには、このように書かれている。
The relevance of the Japanese-American experience to the backlash against Americans of Middle-Eastern descent in the aftermath of the September 11th attacks is a timely and important lesson to tach and understand.


c0062603_15255399.jpgc0062603_15263043.jpgこうしてアメリカの子どもたちは、自国の失敗を教訓として学ぶ環境に置かれている。
鑑みて日本はどうかと問うたとき、何も学んでこなかったことがとても恥ずかしい。
今はせめて子どもたちに真実を伝える教育がなされていると信じたい。
しかし、学ばなかったからといって、そのままにしておけばいいということはないはずだ。
多くの書籍やビデオ、DVDなどを手にすることができるし、こうして便利なインターネットで学んだり、知ったりする機会を得ることができる。
英語のサイト(アメリカ)
Manzanar National Historic Site 
THE MANZANAR COMMITTEE ONLINE
Japanese American Interment
日本語のサイト
マンザナール強制収容所
ヒラサキ・ナショナル・リソースセンター
日系移民の歴史
どのサイトもとてもわかりやすくできているが、中でも「日系移民の歴史」は、丹念な調査に基づいて書かれているとともに作成者の視線の温かさが伝わってくる。


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夫とともにこのマンザナー日本人収容所に出かけた頃、日本に帰国していた息子は、実家の両親とともに沖縄を訪れていた。
そこで「ひめゆり平和祈念資料館」を訪れた彼は、しばしそこから動くことができなかったと言う。
当時の敵国アメリカの住人となった息子の胸に去来したものは、おそらく同じ頃に敵国の人間として閉じ込められた場所に立っていた私と同じだったのではないだろうか。
息子も、そして私も、いずれはアメリカ市民になるつもりだ。
しかし、アメリカ市民となっても、一生「日本人の誇り」だけは持ち続けよう。
それがここで生きていくということ…私はそう思う。

"Wake Up Everybody" Harold Melvin and The Bluenotes


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Commented by ミッキー at 2007-01-26 23:25 x
過去の歴史を直視して、誤りを正す姿勢をみると
アメリカって、すごいと改めて思います
ほんとの政治家がいるんですね
日本では、海外で辛い思いをした人を紹介するどころか
過去の歴史の過ちを正確に分析して
教育に活かしているのか・・・・
こういうとこが国際社会で受け入れらないとこなんでしょうね
経済力の割りに影響力がありませんから
Commented by marrrsan at 2007-01-27 14:17
数年前にチューレイン大学で日系のアーティスト ロジャー下村の展覧会がありました。彼の子供の時の収容所での体験が絵画の重要な一部になっていました。
ただ子供だったのであまり悲惨は状況は感じなかったのか描かれていません。
しかし、アメリカの過去にそういう事実があったということを子供の視線で描くことによって
訴えるものがありました。
Commented by lanova at 2007-01-27 17:09
★ミッキーさん_私もこのアメリカのスタンスには、学ぶところが大きいと思いました。結局は教育だと思うんですね。今の子どもたちはこういうことって教わらなければわからないわけです。しかもアメリカでは日本人はマイナーです。もし、学校という場で教えられなかったら、一生知らないままで終わってしまうかもしれません。同じことが日本でなされているかですよね。私たちの歴史の教科書には日本の犯した過ちがきちんと書かれていたでしょうか?中国や韓国に対してどうだったでしょうか?私たちはアメリカに日系人の強制収容所が10箇所あることさえ教わってきませんでしたよね。
Commented by lanova at 2007-01-27 17:12
★ま~さん_そのロジャー下村さんはどこの収容所にいた人なんでしょうか?10箇所の収容所はほとんどが西側にあったようで、最東端はアーカンソー州の2箇所の収容所だったようです。当時の子どもたちは「いつかはここを出て!」と前向きに生きていたそうです。そのあたりが根っからのポジティブなアメリカンですよね。
Commented by susie at 2007-01-28 23:15 x
「アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書」という本の前書に「アメリカという国は、その歴史全体がひとりの悩める人間であるかのように、矛盾を感じ葛藤に苦しんできました。」とあります。「私たちは平等に作られ」「幸福を追求する権利」を持つと独立宣言で謳ったアメリカは、アメリカ先住民、黒人、日系アメリカ人などを苦しめてきました。でもそれを自ら過ちと認めもしているのですね。
Commented by avocadowasabi-2 at 2007-01-30 03:40
私たちが最初にここを訪れたのがやっぱり同じような時期だったような気がします。
山上の雪がとてもきれいでした。

アメリカという国は、現在もそうですけど戦争と共にある国ですよね。だからこそ、誤りは誤りとして認めその軌道修正やフォローは国の重要な課題として考えられている。
日本は反対に、臭いものには蓋的な部分があると思います。国民性とでも言うのかしら・・・。
Commented by lanova at 2007-01-30 16:28
★susieさん_そこがアメリカという国の懐の深さであると私は思いたいのですが…実際に教育の現場でその間違いを教えるということが、本当に行われているのかどうかを確かめたくて、職場の館長に聞いてみました。そして教材一式を貸してもらい、家でじっくり見ました。また職場の歴史の教員とも話しました。やはりアメリカ史の中できちんと生徒に教えていました。そのときにその教師に言われました。「そのときの日本人、日系人への感謝を忘れないように」と。歴史とは過去を学ぶことで同じ過ちを犯さないためのものなのかもしれませんね。
Commented by lanova at 2007-01-30 16:45
★avocadoさん_この美しい風景も自分の置かれている状況次第で美しいよりも厳しさの方が先に立つこともあるんですよね。
<臭いものには蓋的な部分>、確かにそれもあると思います。そして、日本独自の「恥」の文化もそこには大きく介在しているのではないでしょうか?過ちを「恥」と捉える日本人の感覚はアメリカ人には理解しがたい部分でもあるのかもしれません。ただ「恥」は「恥」としてきちんと後世には伝えていかなければいけないと思います。同じ過ちを繰り返さないためにも。
by lanova | 2007-01-25 23:42 | Trip | Trackback | Comments(8)