2006年 12月 08日
Dec. 7/Principal Bow Wow
アイドルタレントの一日警察署長だの一日駅長だのというのは、日本でもおなじみである。
もちろんその類の「一日〇〇」というのは、このアメリカにもあるが、
今の日本ではちょっと考えられないかなというのが「一日校長」。
アメリカ時間の昨日12月7日、私の勤務する高校に、
一日校長として19歳のBow Wowがやってきたのである。
Bow Wowは2002年に映画「Like Mike」で、マイケル・ジョーダンと共演し、
アメリカはもちろん、日本でも若い人たちを中心に一躍人気者になった。
しかし、今では役者としてよりもラッパーとしての活躍の方が大きい。
6歳の頃からラッパーとして歌い、
今ではHip Hopの立役者、Snoop Dogの秘蔵っ子的存在である。
ここからの話がいかにもアメリカらしい。
このPrincipal for a day(一日校長)はコンテストによって、
校長として赴任する高校が決まるのである。
これを企画したのは、
これまた若い層に圧倒的な支持を受けるHip HopのFMラジオ局Power106。
Bow Wowを一日校長としてよびたい学校の生徒たちが、
電話やインターネットで投票を行い、最も票数の多かった学校が彼を招聘することができる。
ロサンゼルスエリアの100を越す高校の中で、
わが勤務校が見事その権利を勝ち取ったのである。
で、もちろん昨日は朝から大騒ぎである。
何しろ19歳にしてミリオネイヤーになったBow Wowであり、
高校生たちのカリスマ的存在でもある。
セキュリティはかなり厳重だし、大勢の警察官も出動している。
そして何とBow Wow ご一行様の控え室が、私の勤務する図書館だったのである。
こうなると俄かミーハーファンに転じてしまうのが、我々中年女性の常である。
普段はBow Wowなど聴いたこともないのに、
いかにも「おばさんもあなたの大ファンよ」みたいな顔をして、にっこり握手を求める。
もちろんそれだけでは終わらない。
しっかり肩を組んで写真撮影のおねだりをすることも忘れない。
こういうときに図書館勤務の特権を利用しない手はないのである。
礼儀正しくて、おばさんたちに囲まれてもにっこり微笑んで写真に納まってくれた
なかなか好青年のBow Wowであった。
昨日の様子はこちらの新聞に詳しい。
記事内のPhoto Gallery: Principal for the dayをクリックすると、昨日の様子が写真で、
またVideo: Principal for the dayのクリックでは、動画で見ることができる。
Bow Wowが控え室である図書館で準備をしているときの校内の様子。
ちょうど2時間目と3時間目の間の休憩時間は、
軽食をとる生徒たちでキャンパス内は溢れかえっている。
Power106の人気パーソナリティー、Big Boy。
彼のパフォーマンスは、リスナーを知らず知らずのうちにその雰囲気に誘い込んでしまう。
実は彼は超ビッグな体格だったのだが、意を決したダイエットに成功。
200パウンドも体重を落としたとか…
この人数はそこいらのコンサート会場に集まる人数を超えている。
わが校の生徒数は、名簿上では約3,700人。
当然、野外シアターだけには収まりきらない。
ステージの裏側にも当たる校舎の隙間や階段から身を乗り出すようにしている生徒たち。
Bow Wowのステージにを見に行こうと思ったら、
かなりせっせとバイトをしなければチケットを手に入れられない。
ところが今日は自分の学校で彼の生歌が聴けるのだ。
午前中に一日校長として、校舎を回り、いくつかのクラスの授業に顔を出し、
翌日にチャンピオンシップを控えているフットボールチームの選手たちを激励し、
コンサートは午後1時から始まった。
正直なところ、Bow Wowとデュオでラップを歌うもう一人のお兄ちゃんの方が好み。
なかなか端正な顔立ちだった。
これはオマケ。
ビデオ撮影をしているクルーのはいていた30年前のNIKEのビンテージシューズ。
彼のお母さんがしっかり保管していたそうだ。
やはり何でも捨てるよりは持ち続けていた方がいいなと再確信。
そんなこんなで、昨日は通常業務はほとんど停止状態ではあった。
by lanova
| 2006-12-08 23:59
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