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Casa de NOVA in Minnesota

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Jul. 2/Good bye Benz

3週間ほど前のことだった。
夫が突然、トヨタのディーラーに行こうと言い出した。
普段オートバイのディーラーにはよく行くが、
車のディーラーにはほとんど出かけたことがなかったので、
物見遊山で「行こう、行こう!」といそいそと出かけていった。
夫はどうやらこの5月に新発売になったToyota Camry 2007が気になっていたらしく、
インターネットなどでチェックを入れていた様子で、
実際に自分の目で見たくなったようだった。
ディーラーで目的の車を目にし、試乗をすることになった。
そこで私にも運転しろと言う。
フリーウェイはやはりおっかなさが先立ち、街の中をぐるりと走ってみた。
いやあ、快適なのなんのって。
我が家のオールドベンツはディーゼルだし、その上エアコンが効かないので、
窓を開けて走るため、どうかすると大声で話さないと聞こえなかったりするほどで、
Camryの静かさに思わずうっとりしてしまった。
そしてディーラに戻り、夫は商談室へ。
えっ、もしかして買うつもり?
そんな豆腐1丁買うのとはわけが違うんだからと、ごにょごにょ言ってる私に、
「気に入った?乗り心地はどう?」と聞く夫。
「そりゃあ、もちろん!いい車だし、運転もしやすいし」と私。
「それなら問題ないね」と、商談は先へ先へと…
気がつくと、私の手には車のキーが。
そしてまさしく豆腐1丁買うみたいに、その場で車は私たちのものとなった。
ディーラーまで出かけたときにはオールドベンツ1台で出かけたのに、
帰りはその後ろからCamryがついて走ることになった。
日本だと、たとえ商談が成立しても、車庫証明だの、警察への届出だので、
別に納車日というのが設定されるのだが、ここでは基本的にその場で引き取りだという。
お金を払うときはルーズなアメリカでも、こうして物を売るときの迅速さは見事なものだ。
経済大国と言われる所以はこういうところにもあるのかもしれない。
何はともあれ、新車を手にした私は頬が緩みっぱなしだったのは言うまでもない。
しかし、3人家族に車4台は必要ないわけで、
早速オールドベンツは売りに出されることになった。
For Saleのサインをつけて3週間あまり。
何人か興味を示して連絡してきたが、
昨日、夫の同僚のもとへと引き取られていった。
車を売るために、夫は車の内外をきれいにし、メンテナンスも整えた。
「本当は売りたくないんだよなあ」とポツリと夫。
やはり手放すのは寂しそうだった。
1982年のMercedes Bentz 300D Diesl Turbo。
走行距離は33万マイル(約53万km)、12年間、夫の愛車だった。
この年のこのベンツはとても性能がよく、50万マイルまでは楽に走ると言われている。
この車に乗っているときには、あんなにブツブツ文句を言っていたのに、
いざ人手に渡ると思うと、妙に寂しくなった。
何しろ、渡米以来、どこに行くのもこのベンツが私たちを運んでくれたのだから…
この4年半の思い出が走馬灯のように頭をよぎっていった。
Thanks and good bye our loving Benz.
Jul. 2/Good bye Benz_c0062603_15443845.jpg


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by lanova | 2006-07-02 23:54 | Logbook