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痕跡(上)

痕跡(上)_c0062603_14113987.jpgアルバカーキに住むこれからどうする、どうなる!? アメリカで!のsoylistaさんからごっそり送ってもらったパトリシア・コーンウェルの「検屍官」シリーズと「警察」シリーズもこれが最後の作品となった。
この後「神の手」という作品が発表されているようだが、未読である。
さて、この作品は主人公のケイ・スカーペッタが、以前検屍局長をしていた古巣のリッチモンドに戻るところから話は始まる。
とはいっても検屍局長として戻るのではなく、ある事件を解決するためにサポートに出かけるというストーリーである。
今回全体を通して描かれているのは登場人物の心理描写。
しかし、この登場人物がノーマルな人間ではなく、どちらかといえば人格異常者ばかりである。
したがって心理描写とはいっても、理解しがたい部分が多く、「人格異常者特有の…」と言われれば、「そういうものなんだ…」と納得せざるを得ないという感じが濃厚だった。
日本の推理小説は、どちらかといえば普通の人々の深層心理を描いていくものが多いが、やはりこれはアメリカの推理小説なんだなあと、妙なところで感心してしまった。
やはり展開はとてもゆっくりで、少々間延びしてしまったが、いつもながらに作者のコーンウェルの知識の豊富さには驚かされる作品であることには間違いない。

痕跡(上)/パトリシア・コーンウェル(講談社文庫)
by lanova | 2006-04-07 22:42 | Book